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2018.5.23更新

Vol.32「庭と家、つながって豊かな暮らし」

建築家 深谷朋子さんの設計される住宅は、時間がゆっくりと流れている印象を受けます。なぜかな…と考えたら、そこには暮らしとつながっている庭がありました。庭の植物や、やってくる生き物たちと、季節を感じながら、毎日を大切に過ごしていける。そんな住宅だからでしょうか。
今回は、深谷さんに、「家づくりと庭」を中心にお聞きします。

深谷 朋子(ふかや ともこ)さん
関西の学校を卒業後1年ほど、阪神大震災で被災した神戸長田区真野地区で共同住宅の建替にボランティアで関わる。「役割を担える力をつけたい」と、奈良や東京の設計事務所などで修業。その間、ネパール・インドへの旅行中に、医療法人phect-NEPALカトマンドゥモデル病院移転計画および診療所・地域指導員養成センターの基本設計に携わる。2007年F設計室設立。一級建築士。中部建築賞入賞(2009年)、すまいる愛知住宅賞名古屋市長賞(2009年)、同住宅金融支援機構東海支店長賞(2014年)など受賞。

4.ひとつ屋根の家 ②

回れる動線と大きな収納庫

深谷さんが庭との関係のほかに、住まいの中で意識されていることはなんでしょうか。

深谷さん

回れる動線―行き止まりがない動線です。台所、サービスルーム、洗面所など、グルグル回れる動線は、思う以上に住んでいて心地よいです。

何となくすっきりしているのは、物をあまりお持ちでない方が多いからですか。

深谷さん

いいえ、そういうわけではありません。私は、比較的大きい収納庫をつくることを大事にしています。今までのタンスなどの家具などはそこに置いて、後で居住空間にタンスなどを置くようなことがないようにプランニングしています。

そうなんですか。

深谷さん

ひとつ屋根の家は、4畳の四角い箱が家の真ん中にあります。写真の階段の向こうです。

家の真ん中に!?

深谷さん

その周りをグルグルと、玄関、リビング、ダイニング、キッチン、水廻り、主寝室と回れる動線になっています。もちろん、風は抜けるようにしてあります。

対照的な姉妹の希望をすべて実現した屋根裏部屋

当初の平屋建てのご希望を、予算の関係で、娘さん二人の部屋を屋根裏にすることで、平屋建てのような2階建にしたのでしたね。

深谷さん

はい。対照的な姉妹で(笑)。洋裁学校に通っている長女のミシン部屋は必ず必要、しかも長女は奥の方で静かにいたい、次女はみんなといっしょがいいという希望がありました。階段を上って、オープンになっているところが妹さんの部屋です。

確かにリビングとつながっていて開放的!

深谷さん

この写真では、右の階段から上がってきて、左手のベッドが見えるところが妹さんの部屋。壁はありません。真ん中の箱が、1階の収納庫の2階部分で、姉のミシン部屋です。

1階の収納庫が2階まで立ち上がってきているのですね。

深谷さん

はい。これはミシン部屋を見たところ。奥が姉の部屋です。ミシン部屋に屋根に設けたトップライトがおりてくる。ほのぐらい中に明かりがさしているという感じです。

扉で仕切られてはいませんが、確かにご希望通りの閉じた静かな部屋になっています! マジックを使ったみたいです。

深谷さん

たまたま収納庫のプランがはまって、瞬間でできたプランです。二人とも、ずっと結婚せずにこの家にいるって言っていますから、気に入ってくれてるんじゃないですか(笑)。

いろいろな表情を見せるダイニング

四角の家のなかで、クライアントの要望を実現しています。奥様のご希望は?

深谷さん

主寝室からの南北の通風です。南北の通風は大事で、それがあれば夏場でもそんなに冷房のいらない家ができると思っています。ここでは、収納庫に風の通り道を設けました。

なるほど!

深谷さん

それからキッチンかな。キッチンはシンプルなのを選んでいただきました。

こちらがダイニング。立派なテーブルはどうされたんですか。

深谷さん

材木屋さんにクライアントといっしょに行って、木を選んで板をつくってもらって、スチールはクライアントの知り合いにつくってもらっていました。3mの長さがあります。

建具はどのようになっていますか?

深谷さん

アルミサッシの雨戸があって、網戸があって、シングルガラス、そして太鼓障子です。他のところはペアガラスですが、ここは太鼓障子があるので、シングルガラスで十分です。

建具の開け閉めで、季節によっていろんな表情ができますね

家族みんなの希望がかなう家

家族みんなの希望がかなう家は、どうしたらできますか?

深谷さん

このご家族は家づくりへの情熱が強い感じで、和気あいあいとできました。どういう家がほしいのか、ご家族みんなが求めていることを、最初に出していただけるといいですね。後で、こういう要望もありますが…となると、最初からプランを考え直さなければいけないので。

そうですね。今回は、落ち着きのある大人の住宅をご紹介いただいたという気がしています。

深谷さん

私は、ノーマルな家をつくっているという意識です。あまりデザインしすぎず、窓枠など大事なところにはこだわって。

それが、独特な家の魅力になっているんですね。ありがとうございました!

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